今回は卒業生対談ということで、人間福祉学科2008年卒業の平賀祐芽さんと横關昌弘さんのご友人同士の対談をお届けいたします。以前行った横關さんの過去のインタビュー記事は下記からご覧下さい。
同じ年に人間福祉学科卒業同士の対談
平賀さんの目白大学入学のきっかけ
横關昌弘さん(以下横關さん):はい。じゃあ、今日はよろしくお願いします。
平賀祐芽さん(以下平賀さん):はい、よろしくお願いします。
横關さん:一つ目が大学入学のきっかけということで、なんであまり歴史がない目白の福祉学科だったのかっていうのをちょっとまず聞きたいなと思うんですけど、高校生の頃のときのことなんだけど。
平賀さん:高校生の頃ね…。元々、うちの母親経由なんだけど、自分の実家の近くの重症心身障害児施設でボランティアっていうか…ボランティアじゃないな、遊びに行ってて、普通に。そこに通ってくるお母さん達にすごい私可愛がってもらって。その遊びに行って療育とかを見ていくなかで、肢体不自由の子って、やっぱりすごい反応がゆっくりじゃない?
横關さん:うんうん。
平賀さん:その中でも療育をやっていくうちにどんどん反応が出てくるのを見て、自分もそういった先生側やりたいなっていうのがきっかけかな。
横關さん:ほお、なるほど。
平賀さん:そう、一般入試で受けて目白。目白はうちの父親が見つけてきてくれて。それで受験したのがきっかけで。なんかそんなに目白にっていうようなわけでもなかったんだけど、雰囲気は良さそうだったし、取りたい資格「児童指導員」とか取れるから。
横關さん:じゃあ、一緒にたぶん履修した教職課程についても、ボランティアの経験から、やっぱりそういう先生とか教えて伝える側にっていうので…
平賀さん:そうそう、受けた。
横關さん:教職取ったっていうのがね、結構自分の中でも一緒にやったし、あとは他の学科の学生とのコミュニケーションがたくさん取れたのは良かったかなと思ってて。
平賀さん:ねぇ、すごい楽しかったし。うん。
横關さん:結構いろいろ深い話もね。子どもが言うこと聞かない…結構いろいろあったよね。反抗期を迎えてる子ども? 俺、自分でも覚えてるのが、何かトラブルを起こしたときに誰の責任なのかっていうのをすごく一個覚えてて、それが親の責任なのか、学校がどこまで責任を負うのかっていうので、中山先生の授業だったかな、すごい覚えてて、それでいろんな意見があるんだなって。志望してる学科…われわれ福祉の目線でやっぱり考えると、「いろいろ考えとけ、でも実際は親でしょ」みたいなとか。
平賀さん:でもね、今の仕事上は教職でやったことがすごい身についてるなっていうのがあるので。
横關さん:なるほど。
平賀さん:資格としてはあんまり活かせてないし、今、教員免許って履修制になっちゃったから、資格としては、教員としてはやり直さなきゃいけないんだけど、あのとき学んだことは今の仕事で活かせてるかな。
横關さん:本当にそれはすごく勉強になったので、良かったとはいまだに思う。
平賀さん:そうそうそうそう。
横關さん:じゃあ、そこは後でまた、仕事のところで聞けたらなと思います。
平賀さん:はい。
ここからは、平賀さんが所属していたサークルのお話になります。
ICCの部長として留学生をサポート
横關さん:学生時代、なんかサークルとかやってたんだっけ?
平賀さん:はい、ICCの部長をやっておりました。
横關さん:あれか、国際交流だっけ?
平賀さん:そう。国際交流の。
横關さん:国際交流の留学生とかとも仲良かったんだ。
平賀さん:そうそうそう。
横關さん:そっかそっか。部長やってたんだね。俺はサークルとか「メジ☆スタ」以外やってなかったから。
平賀さん:ああ。「メジ☆スタ」のほうが忙しかったと思うよ。
横關さん:いや…
平賀さん:うちの場合は、楽しくて飲み会やってたばっかだから。
横關さん:ねえ、すごいね。それで留学生とか。でも、珍しいね。だって、自分行かないのに部長やってたんだ。
平賀さん:それもね、新歓行って仲良くなった子達と遊べるのが入ったきっかけで。その後、なぜか部長にさせられたみたいな。
横關さん:すごいね、それは。
平賀さん:でも、逆に留学行かないから部長っていうのもあったかな。
平賀さん:常にここにいると。
平賀さん:そうそうそう。だから、あの当時…今は留学生の規模もすごい多いらしいから、そのサークル自体もなくなっちゃったらしいんだけど、当時はアメリカ系とかはもう10何人しかいなかったし、韓国学科もできたばっかりで、その人数分の韓国人しか来なかったから。だからもう本当に和気藹々? 大学の横に当時寮があって。で、そこでなんか飲み食いしたり、ウェルカムパーティーと称して関係する先生たちとか留学生たちの統率してる部屋があったんだけど、そこの人たちにもすごい可愛がってもらってたから、その人たちと一緒にウェルカムパーティーとかお別れパーティーとか、あと季節を感じてもらいたいから七夕? 大学って笹とか取れたからさ。
横關さん:ああ、あったね、裏の方ね。
平賀さん:そうそうそう。そこで笹を取ってきて、そこで七夕やったりとか、いろんなことをやってきました。
横關さん:それは何か、当時もたぶん話聞いてたんだろうけど、なんか新鮮っていうか、そういう活動もしてたんだなって今思うと。
平賀さん:そう。一番大変だったのはあれかな、手続きかな。区役所巡り。
横關さん:それは外国留学生の?
平賀さん:留学生の住民税だったりとか、国民健康保険。
横關さん:そういうこともお世話してたのね。それはすごく大変だよね。だって言葉もね、やっぱり仲介してかなきゃいけないけど…
平賀さん:そうそうそうそう。私、しゃべれない人だから。
横關さん:それはすごく…今ほどスマホもないから、トーキングエイドみたいなの…翻訳機能が付いたようなものもないしね。
平賀さん:ないないない。でもだいたいね、1人しゃべれる子がいたのと、事前に職員側から、「今日、学生とこういう手続きをしてきますよ」っていう事前説明を留学生にしといてくれたから、手振り身振りと日本語通じる子に説明して、通訳してもらって手続きやって、とかをやってた。
横關さん:へぇ。それはでも、いい経験というか。だって、まだ外国の方はね、そんなに多くなかったんだと思うし、なかなか今みたいなツールがないから。
平賀さん:そうそうそう。だから、よく留学生に言われた。本当に韓国語も英語も喋れないから、周りは喋れる子とか、喋りたいからその言語でやろうとする子も多かったから、逆に私と話すと一切英語も韓国語も通じないから一番勉強になるって言われた。
横關さん:なるほどね。それはすごくね、サークル活動を通じて国際交流もできるし、いろいろな面だよね。自分が当たり前のように使ってるサービスや手続きが、一つ国が変わったり、言葉も変わったりすると、なかなかそれを伝えたり、言語化するのが難しいわけだし。
平賀さん:そうそうそう。
横關さん:国によっていろいろなサービスがあって、使えるサービス・使えないサービスがあって、ここまでなら我々できるけど、その後は本人がやってもらわなきゃいけないとかね。そのへんはね、やっぱりね…。今ね、私が仕事してるのが、区役所の出張所みたいなとこなんですよ。
同級生のお二人だからこそ分かるお話もあり、更にお仕事での共通点もありました。
お二人のお仕事の共通点
平賀さん:え? 児童養護系だよね、よこちゃん?
横關さん:ううん、児童養護施設はもうね、続けられなくなっちゃって。
平賀さん:あ、そうなんだ。よこちゃんは千葉先生系列で働いてんのかと思った。
横關さん:ううん、全然。
平賀さん:あ、違ったんだ?
横關さん:全然別で。それで、「もう辞めたいんです」って話したら、「いやいやそんなこと言うな。他にやりたいことないの」って上の人に言われて。そうしたら、「事務系だったらできるかもしれないです」って。まったく簿記とか経験も知識もなかったんだけど、それで法人本部の方でみてもらって、簿記の資格取ったりFPの資格取ったりして。それで、そこの仕事…法人会計の方を素人で、初心者でやってたの。
平賀さん:すごい!
横關さん:それでその後で、一緒に委託事業? うちの法人の委託事業で高齢者の総合相談窓口があって、そこは区の施設に間借りしてるような形なので、そこの非常勤で事務みたいな形で、兼務でやってたんだよね。それでその本部からの異動の時期になった時に、そこの仕事っていうのがすごくね、子どもでいうところの児相みたいなところで、最初の福祉の入口みたいなところで、高齢者の仕事はやったことがなかったんだけども、いろんな相談…最初の窓口としての相談があってやりがいがあったのと、唯一土日休みでシフトなし。
平賀さん:ああ、そうね。施設だったら土日ないからね。
横關さん:そう。それがあったので、そこで来るのは外国の方もいるんですよ。
平賀さん:え、老人系でも?
横關さん:そう。だから外国籍の方。それで生活保護とか繋がってれば、そのままワーカーさんを通じて情報をもらえたりするんだけど、アパートの大家さんが「この人外国籍で、なんかこういうサービス使いたいんだけど、今寝たきりになっちゃって、退院するんだけど帰る家がないとか、みてくれる人がいないとか、自費サービスでどの辺までできるかとか」っていうので、結構あるんですよ、国籍だったり…
平賀さん:外国籍の人の高齢化も進んでるってことね。
横關さん:そうそうそう。そういうのもあるので、結構うちのエリアが大学の近くなんだけど。
平賀さん:私の前の職場、〇〇(具体的な駅名)だよ。
横關さん:え、そうだったの?
平賀さん:うん。あの、Aって施設知ってる?
横關さん:知ってる知ってる。だって、そこのすぐ近く。
平賀さん:あ、本当?
横關さん:だって、そこの施設うちから、そんなに離れてない。
平賀さん:えっ!
横關さん:あの、「〇〇(横關さんの職場のお名前です)」って…
平賀さん:ありました!
横關さん:あそこに勤めてます、今。
平賀さん:あ、そうなの? じゃあ、知ってる区役所の人いるかもしれないね。
横關さん:そうそうそう。あら、じゃあそこでまた繋がりがあったってことね。
平賀さん:ねぇ。
横關さん:すごいね。
平賀さん:ちょうど私が入社の時に、Aがようやく区から法人委託するっていう時で、今まで区役所が運営してたんだけど。
横關さん:そうそうそう。
平賀さん:委託する時のスタッフで、区役所の人から引き継ぎ作業・指導してもらってて。まだいるのかな? どうなんだろう。
横關さん:まだね、あるし。で、区役所の福祉窓口の担当の人は、結構行ってます。
平賀さん:あ、本当。
横關さん:そうそう。
平賀さん:お世話になった人がまだ区役所職員でいるんじゃないかな。
横關さん:なるほどね。我々も要は横並びで、隣は地域のワーカーさんなんですね。保健師さんとかもいて。まさか、ここで繋がりがあるとは、私は初めて知ったのでびっくりしたよ。なんか、そこのきっかけという…つながりっていうのは、まさかあると思わなくて。
平賀さん:ねぇ、びっくり。まさかそんな近くとは思わなかった。
横關さん:そうそうそう。なんかもう、法人本部へ所属変更して、そこにも通勤してる形なので、Aの前通ってるよ。最初に勤めたところがまさか、私の関わりのある所。そこは、家から近いわけじゃないよね?
平賀さん:もともと就職したのが、ずっとボランティアやってた法人。
横關さん:なるほどね。ボランティアがきっかけで。
平賀さん:初めて未就学の知的の子もいる施設の委託で、そこに派遣されるみたいな感じで。だから最初は委託機関までの半年間は、「まだそんなスタッフいらないよ」ってことで、栃木に配属になって。
横關さん:栃木?
平賀さん:はい。
横關さん:ほうほうほうほう。
平賀さん:半年間栃木で、普通に給料もらえるんだけど、そこの寮に同期4人で2人ずつで2部屋借りて。
横關さん:それ、きついね。
平賀さん:楽しかったけどね。いまだにその同期とは繋がってて、年に何回かは会ったりしてるんだけど。
平賀さん:病院の中に入ってる、重症児の入所施設? 一応デイもやってんだけど。入所施設3ヶ月、デイを3ヶ月で研修勤務みたいな感じでカウントしてたら、Aにもう一回就職じゃないけど行って、そこで結婚するまで約3年。
横關さん:そうなんだ。本当にそういう流れができてたんだね…ボランティアで行ってて、そこで新しい事業やるからっていうので、ちょっと栃木にね、研修期間はあったにしても、それで都内に戻ってきてっていうのがね。結婚も早かったからそこでもう退職って形で、入間の方に?
平賀さん:そう。退職ってやっぱ子どもたちも関わるやつだったからね、年度途中に消えるとさ、お母さんたちに迷惑かけちゃうからさ。
横關さん:そうだね。
平賀さん:3月退職を考えてたら、結婚式まで時間があるんだったら、ずっとボランティアしてた施設で「3ヶ月間だけ働かない?」って誘ってもらって、そっちに異動っていう形で3ヶ月だけお世話になってから退職。
横關さん:そうだね、ちょうどボーナスも出るタイミングで。
平賀さん:そうそうそうそう。
横關さん:今ね、本当に福祉の業界人が足らないので、そういう形でね、仕事をある程度理解してる、自分たち法人のなかでまわすっていうのは結構あるので。でもすごくそれは、学生時代、入るきっかけとなったところも繋がって、やっぱり重症心身障害の方やりながらっていうのができているので、そういうところは一貫して取り組んできたんだなっていうのは感じました。
平賀さん:そう。だから、希望する仕事につけたかな。ずっと子供の療育をやりたかったから、それもあって、「うちの法人で求人出たから」で受けさせてもらってて。
横關さん:なるほどね。それで出産もしてて、その間は仕事・家庭の方もあったと思うので、パートで今、放課後等デイサービスの方に行ってるってね、ちょっと聞いたので。放課後等デイサービスはうちの法人でも3年前事業化して、ようやく軌道に乗ってて。認可とかその時は本部でいろいろね、うちもね、重症心身の方の営業所が北関東の方にあるのね。地域のニーズでちょっと山の方でやってて。「町の方で何かやってくれませんか?」って言うので、町の方ですごくオーダーがあった時に、放課後等デイサービスが数が少ないのと、子どもたちが行く居場所がないからやって欲しいという要望もらって。始めて3年経って、ようやく少し人件費と収支が合ってきたところで、なじんできたのもあって…自分はそこで働いてるわけじゃないんだけども、すごく増えてるし、すごく自由化? 結構福祉の業界ってなかなか法律とか制度ですごい縛られすぎて、なかなか事業化しても民間の血が入ってないけども、放課後等ってどこでも見るようになってきたしね。
平賀さん:そうだね、数が増えてきた。
後半からは福祉業界に長く勤めてらっしゃる二人だから話せる内容からスタートします!ぜひ、下記からご覧下さい。対談後半もお楽しみに!