目白大学卒業生対談 人間福祉学科 2008年度卒 平賀祐芽さんと横關昌弘さん 後半

目白大学人間学部人間福祉学科を2008年度に卒業された平賀祐芽さんと横關昌弘さんの対談です。後半は福祉業界の内容からスタートです。お二人だからこそ話せる内容なので、ぜひご覧下さい。前半をまだご覧頂いていない場合は、下記からご覧下さい。

福祉業界を長く経験されている二人だから話せる内容

放課後等デイサービス含めた福祉施設の話について

平賀さんと横關さんの対談、こちらから後半です。福祉サービスなどについて、福祉業界に長くいらっしゃるお二人だからこその内容をお話し下さっているので、卒業生の方々、在学生の方々にもぜひご覧頂きたい内容ですので、ご覧下さい。

横關昌弘さん(以下横關さん):利用の見極めっていうのが、それは親御さんとそういう相談窓口との調整していきながらやっていく形なのか、その入口の部分が難しいけど、自分自身も児童養護施設いたときに軽度発達障害の子たち、手帳が取れないWISC(ウィスク)の75よりも下回ること絶対ないんだけど、ウィスク75っていうのは、知能検査のところで下がると愛の手帳になるんだけど、そこよりも80とかあると、通級学級ぐらいで、学校とかでもね。っていう形でやってたので、それが学校っていう単位で、教育の中で受ける部分とその次の部分、あるいは児童福祉法だと思うので、放課後等デイサービスの方は。

平賀祐芽さん(以下平賀さん):うん、そうだね。

横關さん:そこをどうリンクしていったりとか、利用? まあ、親御さんが決めるんだろうけど、そこの見極めっていうのは、今どういう形でやってんのかなって。一般的な事例でかまわないので聞けたらなと思って。質問なんですけど。

平賀さん:パートだからそこまでわからないけど、一応私がいるのも株式なのかな。調べてもらったら出てくると思うんだけど、「V(会社名)」というところで。今は障害児事業に力を入れていて。うちの会社だけで、放課後等デイを6か所くらいでやってて。

横關さん:お、すごいね。なるほど。

平賀さん:で、うち一つが、就職(継続支援)のB型?

横關さん:あぁ。B型ね。

平賀さん:で、レストランもやってて。

横關さん:就職に繋げているっていうはすごく良いね。

平賀さん:そうそうそう。だから、今年一人、ずっとうちの放課後等デイを利用してた子が、就職してレストランの方で働いてる子もいるし、私のパート先、結構手広くやってるね。包括もやってるし。

横關さん:あぁ、なるほどね。でもそうなってくると、連続した支援っていうのがあるので。児童福祉法っていうのは、どうしても18歳っていうところでね。成人年齢も引き下げたけども、18歳で切ってしまうと、潜在的な部分で本当は必要なのに、なかなか分からない部分もあるし。軽度の子たちって居場所がなくて、どういう形の支援をしたらいいか分からないのもあるけども、今って発達課題っていうのも、気づいた段階で早めにやっていきましょうという流れだけど。ちゃんとB型を取ってればね、ある程度ソーシャルスキルトレーニング含めて、就労の部分もいろいろね。

平賀さん:だから、うちの放デイの1つが中学生以上の放デイもやってて、就労支援で事業所内で封筒の宛名貼りだとかの作業。あとは公衆電話を使ってみようとか、電車のチャージの仕方だとか。あとは、他の事業所の小学生たちのために、夏祭りでお店づくりをしようとか。だから、その交流はあって。そういった就労に向けての施設も放課後デイも一つ、うちの会社は持ってて。一応、繋げているのかな?高齢含めての包括支援もやってるので。うちの職場の放課後デイに見学に来て、管理者と面談をお母さんがして、体験もしてもらって。合いそうだったらとか。あと送迎、見極めとして送迎できるか。

横關さん:なるほどね、送迎か。大事だね、いま送迎できるエリアってのが、高齢者もデイもそうだけど、行けない…ルートから外れちゃった人だと時間もかかったりするよね。

平賀さん:あとは曜日の…定員があるから。

横關さん:ああ、なるほどね。

平賀さん:その曜日に重ねられるか。空いてる枠で平気かどうかっていうのもあるし。

横關さん:じゃあもうそこは、高齢者のデイサービスと同じ形で、本当は介護度に応じてサービスの回数が介護って関わるので、それに要支援1の人は一回しか行けないから、こういうところです。要支援2だったらこうです。介護になったらこうですよっていうのであるので、そこは同じような形でね。

平賀さん:だから、よこちゃんの場合詳しいと思うけど、月に通える日数って決まってるじゃない。

横關さん:そう、うん。そうね。

平賀さん:だから、それでだいたいの子が8回以上は持ってるから、もう働いてるお母さんも増えてきてるので、学童代わりに集合地を利用する子もいるし、他と併用してる子もいる。

横關さん:それはすごく勉強になりました。なるほどね。それは…他と併用っていうのは、制度が違うところと併用? それとも、他の事業所?

平賀さん:他の事業所。他の放課後デイに行ってる。

横關さん:あぁ、なるほどね。

平賀さん:なんだっけ、最後の受給者証の取りまとめるのをどっちがやるかとか。

横關さん:障害の相談の部分で、我々仕事してる人から見て、社会保険どっちにつけるかみたいなことだよね。

平賀さん:そうそうそう。メインでその日数管理、上限管理?

横關さん:上限管理だよね、なるほど。そういうこともね。でも、そこがすごく障害を持った子達がすごくハードルが下がったのかなと思ってて。施設とか仰々しい感じで、今まで養護学校っていうところに行かないと、みたいになっていたけども、そういうニーズがあるっていうところで、結構事業化とか出来たと。

平賀さん:そうだね。あと、支援級が増えたかなって。

横關さん:あぁ、増えたね。

平賀さん:だから、やっぱりうちの事業所もいろんな小学校にお迎え行くから、昔に比べて支援級が増えたかなっていう気はするね。

横關さん:そうだね。そこは制度のところだったり、実態がすごく分かったので、さっき言ってた、今の仕事に教職で履修したところが役立ってますっていうのを最初に聞いたので、そこについてどういう形で役に立っているかな?

平賀さん:私のいるところは、2つの事業所が合わさってるところなのね、上下階で。日中一時もやってるから、平日は18歳以上の子も来れるから、結構年齢層もあるんだけど、基本は小学校から高校生まで。私のところがダンス療育をやってるとこなのね。スタッフでメインにダンスの先生がいて。インストラクターでずっとダンスのお仕事してた先生が、介護スタッフっていうか、スタッフとしていて、その先生メインにレッスンをやって、後ろでフォローするんだけど、そのレッスンの前に宿題だったりだとか…特別支援学校の子達は基本宿題ないんだけど、通級の子達は宿題を持って帰ってくるので。

横關さん:持って帰ってくるよね、やっぱね。

平賀さん:その宿題指導だったりとか、後はやっぱりね、お母さんたちが見きれてないのかなってお家もなかにはあるから、うちでしっかり宿題をやらせて帰るから。週5も通ってる子なんかはもう、ほぼほぼ第二の家みたいなものじゃん。

横關さん:なるね、なるね。

平賀さん:でも、スタッフも勤務時間的に午後からだから、私の場合は旦那の実家って頼れる場所があるから働けてるけど、時間的に結構拘束時間がさ、忙しい夕方にかかるから、働いてるパートの人なんかは、結構、40代からの人が多いのね。

横關さん:なるほど、自分の子育てが少し落ち着いた時期…

平賀さん:そう。子供が高校生・大学生とか、就職したとか。だからもう、本当に子供達にとって「お母さんがいっぱい」みたいな。

横關さん:確かに、そうだね。そうなんだ、なるほどね。

平賀さん:だから、このスタッフには甘えられるけど、この先生怒らせたら怖いみたいなのもあるし。

横關さん:でもね、子供たちの視点でさっき話を聞いたけども、親御さんからするとすごく助かるっていうか、課題もみてもらえるし、宿題的な課題とかね。見きれてない部分って絶対に、働いてるお母さんもあると思うので、そういうところもケアしてあげるってのが、お母さん自身のね、お父さん・お母さんのケアっていう部分が強いので、そういう制度ができて良かったなって。

平賀さん:で、うちの場合は放課後デイの内容はダンスがメインだから。

横關さん:なるほどね。

平賀さん:だから、ダンスをしっかりやって欲しいってお母さんと、宿題が…やっぱり小学生も高学年だと帰ってくる時間も遅いから、事業所に着くと30分ぐらいでレッスン始まっちゃうんだけど、宿題を優先しますか、レッスンを優先しますかって親の希望も聞いて。で、宿題終わらせてきて欲しいっていうお家の場合は、ちょっとレッスン遅れちゃうけど、宿題をやってからレッスン行こうとかもそうだし、逆にもう宿題は家で頑張るからダンスの方に力入れて欲しいっていうので、レッスンに最初から出させて欲しいっていう希望も聞いて、やってるかな。

横關さん:なるほどね。で、そのダンスっていうのは、全身運動と、あとは集団で何か一緒のことやりましょうよってトレーニングって、私はその2つを思いついたんだけど。

平賀さん:完全に集団だね。

横關さん:うん、なるほどね。ダンスを通じて経験するっていうので、力入れてるっていう形で。

平賀さん:そうそうそう。

横關さん:その方が入口としては入りやすいよね。「ここで宿題やりますよ」って…やっぱり子供達もね、そういうよりも、「踊りますよ」「ダンスやりますよ」って言うほうが、通いやすくなると思うのは、その視点っていうのは、取り組みとしては素晴らしいものだと。

平賀さん:ちょっと、画面越しだから見えるかな?

横關さん:なんだろう…

平賀さん:こんな感じで。【子どもたちが踊っている動画を見せる】

横關さん:なるほどね! じゃあ、これはどこかの体育館?

平賀さん:これはね、市民会館で年に一回発表会みたいなのやってるんだけど。結構踊れる子・踊れない子の差は出るんだけど、こんな感じでみんな一緒に同じのをやる。

横關さん:そうなのね。それってすごくね、自信にもなるし、舞台に出るって経験が自信にもなるし。うん、良い取り組みだと思います。でも今コロナで、そういう機会も結構集団でやりますよっていうのも難しくなってるじゃないですか。

平賀さん:うん、なってるね。

横關さん:そこが、でも、何とかできてる?

平賀さん:一応は。放課後デイの定員って10人じゃないですか。日中一時を入れても、日に来る子供達は20人ぐらいだから、なんとか変わらずやっているかな。

横關さん:そうね、今ね、外でもなかなか遊べないしね、コロナだからって言うのでね。家にいてもストレスも溜まる…こういう子たちって感情表現が苦手なので、結構ストレス溜まりやすい子達が多いので、そういうダンスとかで体を使いながら。大きい声出さなければね。

平賀さん:そうそう。だから、密になっちゃうっていうのもあって、一応、いまダンスは2つに分ける。前半チームと後半チーム。だから、自分がレッスンじゃない間に宿題やってねとかできるし。

横關さん:そっかそっか。それはすごく良い取り組みだね…逆に、そういうことをやってると、自分自身知識として知らなかったんで、座学じゃなくて、宿題をみたりとか、あとはカードとかで、「家帰ったらやること」みたいな。そういうのでくり返し教えたりだとか、ソーシャルスキルトレーニング? そういう理解をさせるような、遊び場とかじゃなくて塾? 障害は学童って認識あったんだけど、そういう勉強メイン? なのかなと思ってたので、まさかそういう活動的なダンスとかやってるっていうのが、私の知識としてなかった部分なので、すごく勉強になりました。

平賀さん:なんかね、やっぱり少ないみたいだから、問い合わせもあるみたいで。

横關さん:なるほどね。うん。

平賀さん:でも、よこちゃんの言うような事業所もあるよ、うちの中に。

横關さん:だって、スペース的な問題もあるし。

平賀さん:そう。メインで宿題は絶対やらせて、余力があればこっちで用意したプリントも頑張ってから自由遊びにしようねっていう、本当に学童的な事業所もあって。そっちは逆にお買い物ごっことかで、お菓子に値段をつけて、50円だからいくら買えるとかの練習をしたりだとか。だから、そっちの方が知的な子が高いかな。うん。

横關さん:うん、そうだよね。そこがソーシャルスキルトレーニング的なところ? これから生きていくのに必要なスキルをそういうところで身につけるっていう部分で。

平賀さん:だからもう、子供達同士で揉めながら。タブレットとかもそこの事業所は貸してあげるんだけど、「印刷するのは2枚まで」とか絶対の約束を決めたりだとか、そのルールをいかに自分たちで気をつけてできるかってのも。だから、事業所ごとに色が違う感じかな。

横關さん:本当に高齢者のデイサービスと同じだなって思いました。今までの一般的な知識のデイサービスって、お風呂に入って、おやつを食べて、みんなで風船バレーでもやって、夕方帰りましょうっていうのがあるけど、それも半日のものもあるし、機能訓練型ってトレーニング? ジムみたいなの使って、半日で帰るものもあるし、いろいろ種類はあるよね。
でも、一般的に知られてる部分って、お爺ちゃん・お婆ちゃんを家に迎えに来てもらって、施設に行ってお風呂入って、おやつを食べて帰ると思われてて。でも、実際には軽度の要支援の介護予防で、エアロバイクをこげるおじいちゃんもいるから、そういうのがあったりとか、ストレッチ・ヨガをやったりとか、逆にそういうところの方が、ニーズがあったりする。たまたま、ちょっと骨折しちゃって、筋肉低下して介護保険使ってるけども、まだ体が動ける仲間と、週に2回行くのが楽しみなんです、週1回行くのが楽しみなんですっていう方にニーズがすごくある。でもそれは、人として生きる以上いろいろニーズがあるわけなので、そこの受け皿になってる部分が、お風呂に入りたいって人のニーズ? 高齢者の視点だとそうだし、体を自分の筋力を維持したいって人もいるし、あとお友達? 趣味のサークルみたいな形で通いたいって人も、いろいろニーズがある。
お子さんの所のニーズもある。そこはやはり受給者証を発行する時のタイミングでニーズを探りながら、プランだったり、それに則ったサービスを使う。そこはすごく制度と法に縛られた福祉の中でも自由度があるんだなっていうのが、今日は私がすごくゆめちゃんに聞いてて一番勉強になった。一貫してゆめちゃんは障害のところでやってるって、一本の筋が話を聞いてて見えたから。

平賀さん:でもね、それも本当に私は運がいいだけ。パート先も、旦那のお母さんの知り合いがそこで働いていて。「お嫁さんはずっと福祉系だったんだよ」って言ったら、「うちに来ない?」って声かけてくれて。不思議なご縁があって、ずっと福祉系で働けてるので。

横關さん:へぇ、そっかそっか。じゃあ、この仕事もやりながら、お子さんの子育ても家庭もって形で。これ、最後の質問なんだけども、そういう形で仕事をしながらお子さんも生まれたばっかってことだし、これからどういうことやっていきたいですか?

雰囲気から優しさが伝わって来る平賀さんのこれからやりたいこと

個別療育についての想いをお話し下さる平賀さん

平賀さん:しばらくは今お世話になってる放課後デイで働きたいなとは思ってるけど、いずれは私、個別療育をやりたい人で。

横關さん:あ、個別療育ね。

平賀さん:以前働いていた場所で個別指導もやってて、そこでの私自身の楽しさっていったら変だけど、一人一人に合わせて、プランを立てて、お母さんと密に話せるっていうのもすごく大事だなと思うので。だからやっぱ、LITALICO(りたりこ)さんとかすごく注目されてるじゃない? よこちゃん知ってるかな? 個別に力を入れてるところも増えてるから、そういうのも魅力的だなあとは思うけど。私のね、指導力がそこまである感じかは微妙だけど。

横關さん:実績として、高校生のときからやってんだから、もう20年以上のキャリアもあるので。

平賀さん:知的の子たちと関わるのは働いてからだもん。ボランティアも重心だったから。だからやっぱ、ダウンちゃんでも自閉さんでも全然違うし。子供達のすごいところって、どんなに障害重くても、普通だったらほら、「自分より大きいのにおかしい」ってなるじゃん。それがもう子供達って不思議だよね、受け入れるんだよね。

横關さん:そうなんだよね。

平賀さん:「あの子はそういう子」って。

横關さん:そうそうそうそう。

平賀さん:だから、それが子どもたちの力ってすごいなと思って。やっぱりうちの事業所も、支援学校のちょっと知的の子もいれば、本当にグレーゾーンの子もいるし、だからといってそういう子たちを毛嫌いするわけでもないし、子供達がうまく取りなすんだよね。知的の重い子がハマってるものがあると、「これが欲しいんでしょ?」ってその子達があげたりとか。お世話するわけではないんだけど、なんかね、そこが変に放課後デイって場所だから、普通だったら関わらない子達同士でも、なんかうまくやっていけるというのが凄いなぁと思うし。

横關さん:本当にね。身体機能が…実習やったような養護学校…特別支援学校のようなところでも、いろんな種類の系統の障害程度の違いもあってね。自分の生命を維持するための器具をつけなきゃいけないケアが必要な子もいれば、就労の部分でやっていく子供たちもいるでしょ。個別支援計画、さっき言ってた通りにいろんなニーズがあって、そこへどういう制度があって、どういうサービスがあって、そこを繋げていくということはすごく大切な所だと思うので。
それでもね、ゆめちゃんは向いてると思います、やっぱり。一人一人全然違うわけだし、一言では表せられないけども、もう子供達にとっていい居場所をつくってるんだなって。だって、自分たちが子供の時に、仮にそういう立場だった時に、いろんな地域性はあったにしても、そういう制度・場所がなかったので、子供も孤立するだろうし、親御さんも孤立するし。それでも、インターネットが発達してないと、あとはやってるところまで、遠くまで車で通わなきゃいけないとかっていうのと。それを比較すると、もうこの20年ぐらいで変化が色々あった。

平賀さん:働けるお母さんが増えたのが、一番変わったかな。

横關さん:それも大きいかな。

平賀さん:やっぱり、そういう子がいると絶対働けないっていうのが、暗黙の了解みたいにあったけど、今は日中一時を使ったり、放課後デイを使ったりだとかで、未だにフルで働けてるお母さんとかもいるから、それが時代が変わったのかなって気はする。

横關さん:本当に今のはね、ニーズに合った、保育園なんかもね、いっぱいで。少子化なのに保育園がいっぱいっていうのはね。

平賀さん:そうだね。

横關さん:その後もね、学童もいっぱいだし、そのニーズに合う子供達にも、やっぱそういう受け皿となるようなところがあって、いろんな計画を立ててくれて、活動もやってくれる場所があるっていうのは、すごく幅が広がったのかな。子供達の居場所っていうのもね。そこはすごく大事な部分なので、制度として大きくなっていけばいいかなっていうのが、すごく私は勉強になりました、今日。

平賀さん:こんなんで、文章起こしてもらえるのか不安なんだけど、大丈夫かな?

横關さん:ちゃんと文字起こししてくれるから大丈夫。

横關さんの仰る通り、しっかりお二人の話は起こすので大丈夫です(笑) このあとは、横關さんの経歴について平賀さんと横關さんがお話しなさっています。横關さんの過去のインタビューでも同じ内容をお話しなさっているので、そちらもあわせてご覧下さい。

福祉学科で行った実習の話

平賀さん:よこちゃん、実習はあれか、養護施設だったんだ。

横關さん:そうそう、だから実習は千葉先生のところ。

平賀さん:ああ、それでその印象があるのか。

横關さん:そうそう。育成園にも行ってたし、ゼミ長だったし、千葉先生のとこね。

平賀さん:そうだよね。

横關さん:それもやってたから。

平賀さん:私はね、矢島先生系列で、島田園に行かせてもらってた。

横關さん:島田ね。俺も島田はボランティアで。

平賀さん:あ、行った?

横關さん:あのね、同行援護っていうの? 通級学級に通う子どもが宿泊の行事に行きたいんだけど、人手がないから来てくださいって、行きましたよ。大学4年のときかな。

平賀さん:ああ、私もそれ、私が働いてた法人で学生のときやってた。大人なんだけど、シーパラとかに行くんで、泊りがけの宿泊研修の時には人手が足りないからで、ボランティアで行った。でも半分遊びだけどね。

横關さん:そうそうそう。なんかそういうのもあったし、ていうのでね、矢島先生ともそういうのでね…もう退官されたんですよ。

平賀さん:あ、そう。聞いてます。

横關さん:3年…?

平賀さん:3年ぐらい前かな。 年賀状はね細々とやり取りさせてもらってる。

横關さん:なるほど。で、2年前に千葉先生と船越先生が退官されて、去年…今年か、今年で須加先生が退官されて。で、今残ってるのは井上先生と福島先生だけ? 我々がいたときの先生は。

平賀さん:そう。だからさ、今年卒業した子なんだけど、ちょうどうちのパート先でバイトで来てて。で、目白の福祉学科って、今は全然制度が違うんだね。実習行かないって聞いたんだけど。

横關さん:えっとね、あれは選べるんじゃなかったかな。

平賀さん:そう、コースがある。

横關さん:そうそうそう。

平賀さん:社会福祉士の受験資格がいらなければ、実習行かないみたいな。

横關さん:あれは、いま受験者の母数がやっぱり成績になるわけでしょ? で、我々のときはほぼ「受けなさいよ」って感じになってて。で、私はね、社会人になってから取ったんですよ、社会福祉士。

平賀さん:すごい! おめでとうございます。

横關さん:とんでもありません。今はそう、取ってね、社会福祉士持ってるんだけど、事務員をやってるっていうのやってて。それで、今の職場ってケアマネジャーと、あとは社会福祉士と保健師というのが必須でいるので。でも、それはもう世を忍ぶ仮の姿で、私は事務員として働いてて。で、新しく職員さんを去年…何人だ? 4・5人? 入れ替えで採用した時にずっと黙ってたんですよ。で、ベテランの人に、「この人もね、社会福祉士持ってるからね。私と同じことできるのよ」とか言われて。

平賀さん:うん、そうだよ。

里親問題についての二人のお話

横關さん:ただね、私も仕事で、本当に疲弊しまくって。あと里親問題。なんか「これで実際良かったのかな?」とか。

平賀さん:里親って、年々厳しくなってる?

横關さん:厳しくなってるけども、結構帰ってきちゃう子も多いし。要は3歳まで施設で過ごして、そこからの2年間とか3年間は里親さんのところで生活しました。でも、小学校入学の時に戻されちゃって。「もう見れません」とか。で、そういう子は本当に心が乱れちゃって、もう大暴れ。

平賀さん:それ、里親だから返せちゃうの?

横關さん:うん。里親には4つ制度があって、親族里親と養育里親と養子縁組をする里親と専門養育家庭。18歳までは家庭で育てる施設の役割みたいになってて、その後は養子縁組を結ぼうと、もうさよならするって形、育てのお母さん・お父さんと育てますよっていう制度などもいろいろあるので。そこは自由なんだけども、結局、自分の子として? だからまぁ、「鈴木君(仮)」って子が「田中さん(仮)」っていう家にもらわれて「田中さん(仮)」って名乗って3年間生活したのに、「家で面倒見きれないから」って返す時には、元の名前に戻して帰ってくるんだよ。自分の家族にもそういう経験をね、心が痛む経験をしてるのに、里親の家でもそういうことをされると、自分のアイデンティティが何なのかって、分からなくなっちゃうんですね。

平賀さん:「必要のない子」ってなっちゃうよね。

横關さん:そう。それで荒れちゃうんですね。もう、小学校低学年で向精神薬をめちゃくちゃ飲まないと、イライラがおさまらない。我々がペロッと舐めたら卒倒するぐらいの強い薬を飲まないと、もう日常生活を送れないっていう。で、そこから障害のニーズが出てきたりとかね。多分、出生時には何も問題なかったんだけど、高校の時には特別支援学校とかって…

平賀さん:環境的要因だよね。

横關さん:そう、環境的要因っていうのでね。そういう子たちを見てて、その子達も養護学校行ってたのがホストやって、なんかもうイケイケの金髪のお兄ちゃんになってて、「こいつ、大丈夫かな」って子もいれば、もっと地道にひたすら封筒とかの作業とかで、地道にグループホームとかで生活している子もいるし。なんか、何が正解なのかわからないっていうので。今やってる私の仕事っていうのは、正解がちゃんとあるんですよ、全部。会計の仕事だったりとか、そういうのですごくわかりやすい、自分の答えがはっきりしやすいので、そこには悩まない。例えば、お金の問題にしたって、0から100までをちゃんと一個一個伝票とかと合わせていけば、会計ってあうので、両方とも合うので。だから、そういう部分が自分的には向いてんだなと思って。やっぱり答えのない福祉の…それが、その人にニーズがあったとしても、自分で振り返った時に、「それでよかったのかな」「あれでよかったのかな」ってすごい悩む。で、その選択でその子の一生を左右してしまうようなケースがめちゃくちゃあったので。

平賀さん:そうだよね、児童養護は特にそうだよね。私がいるのはやっぱり、親がベースにちゃんといてくれてるから、そこの安心感はあるけどね。その安心感を作る側だからね。プレッシャーもすごい多いよね。

横關さん:だからもう本当に、留学してたお母さんが未婚で子供産んじゃって。で、ある国は子供連れて帰れない法律…要は死刑になっちゃうからっていうので。要は、施設に預けてトンズラしたけども、不法残留で見つかりましたと。で、その子が4歳くらいになってますと。この人は強制送還するから、二度と日本の土は含めませんと。そうなった時に、お別れの場面をお母さんとして、「この人がお母さんだよ。だけど、あなたと一緒に暮らせないからここでさよならだよ」って言うのか、それとも、「あなたのことよく知ってる人なんだけど、今まで会えなかったからちょっと時間作りますよ」っていう風な形をとるのかっていうのって、それって大人が決めるんですよね、結局。3歳・4歳って、自分の意思ないんですよ。そういう決断をした時に、空港とか…その時、私は空港に行かなかったけど、空港まで子ども連れてって、「お姉さん、さようなら」ってさせたって話は聞いた時に、でもその決断って、何が良かったのかも分からないし、どうだったのかもわかんないし。でも、その子も里親の方に行ってちゃんと暮らしてるからね。そこについてはあれだと思うんだけども。あとは、事実を知るときって必ずくるので、その時にどう感じるかだと思うんだけども。でも、やっぱりね、難しくてね。

平賀さん:そうね。

横關さん:そう。あの子にとって何が必要なのかっていうのは、自分の意思で「これやりたい、あれやりたい」で「じゃあ、わかった」っていう手助けも大人の役割だし、それは出さないけども、手を出してあげる、これを介助してあげてやるって事が、もう結構一生の中でのトラウマにもなりかねないし、経験として止めている子もいるし。だから、そういうのってすごい重いテーマで正解がない。そこにあるのは法律だったり、制度ってところに縛られているので。それがね、私はね、正直、きつかった。

平賀さん:そうだよね。あと、学校に行ってたってね、いじめ問題もあるし。あと結局そこでね、普通の一般家庭の子と比較しちゃって鬱になっちゃう子もいるだろうしね。

横關さん:社会的意義はあるし、私は凄く尊い仕事で、そこで自分の社会生活スタートしたことをまったく後悔何もしてないんだけども、ただこれを仕事として続けられるっていうのは、なかなか…やっぱり施設の中でも「この仕事やりたいです!」って意欲を持ちすぎてる人の方が続かないんですよ、ホント。

平賀さん:メンタルがね…親の責任を受けるような仕事だからね。

横關さん:そうそう。だから、本当に「仕事」として淡々とやってる人の方が長くいるっていうところもあるので。

平賀さん:あれ、児童施設の子たちってさ、習い事とかってできるの?

横關さん:場所によってはね、結構ね。

平賀さん:ああ、できるんだ。

横關さんが運営委員をなさっていた話で福祉に携わっている方々の地位向上にも努めた話もなさっています。

平賀さん:パートとか、そういった活動のおかげで処遇改善されてるからね。

横關さん:そういうのがね、少しずつでもね、出来てきたので。社会福祉の中でも、これをどう維持していきながら発展していくかってのすごく難しい問題であるけども、法人としてもね、社会的な意義がやっぱりあるので。で、うち乳児院もやってるので。

平賀さん:あれ、乳児院3歳までだっけ?

横關さん:乳児院は一応2歳。

平賀さん:2歳?

横關さん:そう。特別な発達の遅れがあったりとかする場合は入れたりとか、あとは病院? 赤十字とかの乳児院なんかは、3歳と4歳とか結構いる子もいるし。だからそういうのはね、連携しながらっていうので。そっちの施設っていうのは、すごく大事な社会的にね、やる上で大事なとこだと思うので、続けてね、法人としてね持っていればいいかなと思いつつも、自分でやるのは…なんか…

平賀さん:いつ現場復帰になるかわかんないよ?

横關さん:そこをね、ずっとね、頑なに「私は事務員ですので」って言いつつっていうのがね、今の近況と、あとは自分自身が児童の方のね、福祉の方でやってきたところを話できてよかったなと。

平賀さん:若干、ジャンルは違うもんね。

横關さん:ジャンルは違う…そうね。本当にもう、この福祉っていうのは制度と法律、これが則ってるんだろうけど、そこの掛け合わせってのが、私は必要だと思うんですよ。子供から大人になることもあるし、大人でも障害者になることもあるし、成人から高齢者になる場合も…そのあいだのところで支援が途切れてしまう部分って絶対あるので、そういうところはね…本当は取っ払えたらいいんだけどなかなか取っ払えないので。

平賀さん:まぁね。本当はね、理想としては学童がね、全部、どんな子も受け入れることができればいいんだけどね。結局、放課後ではやっぱ、受給者証ある子だけだし。普通の学童は入れないしね。難しいところはあるよね。

横關さん:ね、あるので。そういうすごく社会的な意義があるので、本当に今日は勉強になりました、私。認可とかそういうね、審査する時のものは法人の方でやってたので、こういう制度でやってんだね、こういう人数でやってんだなっていうのは、自分の知識としては持ってたけど、実際どういうことやってるのかは分からなかったので。

平賀さん:まぁもう、来てからバタバタだよね、子供達は。

横關さん:そうだと思いますよ、うん。

平賀さん:だって、早くて3時に下校して、だいたいレッスンが4時からと4時半過ぎからのレッスンに分かれてて。だからもう、急いでおやつ食べて、宿題やって、レッスンやって、さあ帰ろうって。

横關さん:え、マックス一番遅い子を送り出すのって7時ぐらいになるの?

平賀さん:そこはもう、お母さん達の兼ね合いになるんだけど。「17時半には絶対にうちの職場を出ます」っていうので、送迎をするんであれば、17時半には全員子どもたちは出してます。でも、お家に入れないとか…例えば、「6時には帰ってきます」だったら、その子は後回しにして送迎するとか融通はきかせるし。あとは、スタッフがいる6時半、パートさんがいる6時半までに、自分で迎えに来てくれれば6時半までいいですよってやってる。だから結局、その兼ね合いで選んでるお母さんもいるかな。早いところはもう5時に送り出しだから。

横關さん:なるほどね。そこは保育園とかと同じでね、やっぱり。

平賀さん:そうそうそうそう。

横關さん:なるほどね。でも本当に、お母さん達も助かってると思うし、やっぱり。そこはもう、パートさんだから、まあいろいろね、頼まれることも多いと思うんですよ。細かいところ。そこはすごくね、大事な仕事としてやってもらえたらと思いますんで。

平賀さん:昔より時給も上がったので。

横關さん:そうね、時給もね、上がりましたね。

平賀さん:だからまあ、できてるかな、うん。

横關さん:そこはもう、自分のお子さんの方の子育てとやりながら。

平賀さん:まぁ、何回かね、うちの子込みで一緒に行かせてもらったよ、うちの職場。やっぱ子供はね、楽しいみたいね、うちの職場に行けるのは。

横關さん:そうね、やっぱりね。学校…え、小学2年生だっけ?

平賀さん:うん、2年生。

横關さん:2年生か。じゃあもう、いろいろ学校だけじゃなくてね、興味もたくさん出てくる頃だと思うのでね。そうですか、よかったです。また、話しましょう。

平賀さん:こちらこそ、またよろしくね。

平賀さん、横關さん、お二人ともお話、ありがとうございました。同じ年齢として同じ学科にいたお二人だから分かる空気感が素敵だなあと感じました。優しい雰囲気の平賀さんと実直な雰囲気の横關さんが障がいを持った方々やなにかを抱えた子たちへの想いが言葉一つ一つに溢れていました。
福祉に携わる人の地位向上が上がってもらいたいですし、在学生の方々にはお二人の言葉が届いてくれれば幸いです。
お二人ともありがとうございました。