大石さんの目白大学入学のきっかけから目白大学大学院までのエピソードはインタビュー前半をご覧下さい。
大石さんのインタビュー後半は、大学院の修士の2年目のときに大石さんのお母様がNPO法人を立ち上げたことで、卒業後の4月からNPO法人で勤務を開始することになったエピソードからお伺いしていきます。
目次
目白大学卒業生、大石徹さんのインタビュー後半
大学院卒業後、お母様が立ち上げたNPO法人で勤務
インタビュワー(以下イ):大学院卒業後から現在も勤務なさっているNPO法人のことについてお聞きしてもよろしいでしょうか?
大石徹さん(以下大石さん):はい、一般的な福祉のイメージって高齢者の介護ですとか、そういうのが強いと思うんですけど、実習では行きましたが、私は全く高齢者の介護には携わったことが無くて、NPO法人での仕事は障がいを持たれるお子さんの生活支援や学習支援を行っております。2010年、今から12年前から自分の仕事が始まりました。
イ:補助金をもらうのも大変ですよね。事業計画書がしっかりとしていないと出ないでしょうから。
大石さん:はい。全くそれまでやっていなかったことを母が江戸川区に働きかけて、私も間近で見ていたので大変だなと感じました。
イ:大石さん、行政書士や司法書士の資格をお持ちなのですが、施設でも役に立つからという理由で資格を取られたのですか?
大石さん:施設で仕事をし始めて、やはり申請手続きですとか、法律に関係することって勉強して来なかったですから、全くわからないんですよね。行政の方に相対してもわからないので、困ったんですよね。学校でも教えてくれないじゃないですか?申請の手続きの方法をどうやったらいいよなんて。
自分がわからないことが不安だったので、必要性を感じていたんですよね。自分が法律について学ばないと仕事をしていけない、プレッシャーというか、先ほどの引きこもりの話ではないですが、取り残されてしまう、不安感がありました。
先ほど言った補助金は2年間で打ち切る。それ以降は出さないと区から言われていたので、3年目以降、無職になっちゃうなという焦りもあったので、事業展開をしていかないといけない、でもわからないからどうしよう。となっているときに、知り合いの行政書士の先生から助けて頂いて、こういう仕事があるんだと初めて知りました。自分もこういう仕事で手伝いが出来たら良いなと思ったのがきっかけですね。7年前ぐらいですかね。行政書士の資格を取り、司法書士の勉強も始めました。学生時代は必要にかられていなかったので、全く勉強しなかったですね(笑)
自分たちのころと比較して学生さんや若い子たちの水準は上がっているのですが、枠におさまっている感じもあります。もう少し頑張れば良い方にいくのになと思ったり、実習生をずっと受け入れていると優秀な方もいるんですが、そういう方ほど資格の勉強をやめて、違う方へいきましたとか見切りをつけちゃうんですよね。
実習生を見ていて、この子大丈夫かな?という人ほど伸びしろがあるというか、うちの事業所に入ってくれた実習生の方もそうなんですが、実習生のとき、目立たないというか大丈夫かなと思った方でした。でも逆に伸びていってエキスパートになるケースもあって、面白いなと思います。
イ:施設では大石さんの目白大学の後輩の方も働いていらっしゃるんですね。
大石さん:私の実習生として来た方もうちに来てくれたりしますし、4名来てくれましたね。何年間か学ぶと、次のフィールドに進みたいからと、私に相談しに来てくれます。そのときは、卒業して次のフィールドにいこうかとか、そういう風に話していきます。また、新しい学生さんが来てくれたら良いなと思っております。
イ:目の前に大石さんのような素敵なお手本がいるのは、良いですよね。
大石さん:いえいえ。いえいえ。私は10、20代は浮き沈みが激しかったので、多分、あまり参考にならない(笑)10代、20代は大変でしたね。引きこもりでしたので、学校行ってても周りとコミュニケーションが取れないんですよ。
このあと、少し大石さんと引きこもりのときのお話を伺ったり、学校や家以外の第3の逃げ場所、当時のインターネットはセガサターンやドリームキャストを使ったなどのお話をしています。その後、NPO法人の運営業務以外のお仕事についてもお伺いしております。
おおぞら会の事業や行政書士や司法書士としてもお仕事をなさっている大石さんのお話
イ:少しお話しして頂きましたが、現在は特定非営利活動法人のおおぞら会で運営業務を勤めながら、行政書士・司法書士として働いていらっしゃいますよね。
大石徹さん(以下大石さん):そうですね。はい、その2つがメインですね。障がいをもったお子さんたちへのケアを出発点として、お子さんたちが大きくなっていきますと、グループホームですとか、就労の場所が必要となってきますので、そちらの方も事業展開しようということになりました。今、江戸川区と葛飾区でグループホームが15か所。就労が葛飾区で3か所の事業展開をしております。
イ:事業は、大石さんが士業の分野はほとんど引き受けているのですか?
大石さん:いえ、弁護士、行政書士、社労士、税理士のプロの先生方が顧問としており、その方々と連携をしながら行っております。専門の先生方とお話をするときに、共通言語が無いと話せないじゃないですか?貸借対照表とか、損益計算書など、経営に関わるものが読めないと財務諸表が何言っているかわからなくなってしまうので。法律用語もですし。経営ってそればかりやっていても良いわけじゃないので。全体を網羅しないと、大変なこともあったので。
イ:では、大石さんの現在の業務では専門の士業の方とのパイプ役の役割も多いのですか?
大石さん:はい、そこがメインですね。うちの理事長が直接やり取りをする前に全て私が下処理をしていかないといけないので。顧問の先生方と連携を取って取り組んでおりますね。やめられない仕事なので、プレッシャーはあります。やめるということは事業をたたむということなので。
イ:やめられないプレッシャーの中でお仕事をしていて、継続することが出来ている秘訣をお聞きしたいのですが。
大石さん:月並みな言葉になってしまうかと思うんですが、やっぱり人だと思うんですね。福祉は人に価値が置かれる仕事だと思うので、職員一人一人が元気に働いていかないと障がいを持つ利用者の方々が良い生活を送れないと思いますので、実習生と同じようにケアしていく。絶対に上から目線ではなく下から支えていけるように配慮していく。言葉遣いもそうですけど、企画もトップダウン(組織の上層部が意思決定を行ない、その実行を下部に指示する管理方式)ではなくボトムアップ(現場からの提案を基にして、組織の上層部が意思決定を行う管理方式)で行う。絶対出来ているかわからないですが、意識してやっています。
イ:大石さんのような上層部の方がいると、現場の方々は働きやすいでしょうね。
大石さん:いえいえ、そんな。
でもグループホームが12年、就労を10年運営しておりますが、初期から働いている方が10年以上勤務しております。けっこういらっしゃいますね。本当にありがたいですよね。ベテランの方々の力はありがたいです、本当にありがたい。うちがいいと残って下さるので。
イ:利用者だけではなく、働いている方にとっても素敵な職場なのですね。
最後に大石さんには事業での今後の展望について伺いました。
今後の展望について
私自身、司法書士や行政書士になって、昨年初めて株式会社を立ち上げました。そういったことも楽しく取り組めましたし、自分自身の拙い経験ですけど、補助金の申請や投機も難しいので、起業サポートや会社の設立を後押し出来るようにしていきたいと思っております。
大石さん、インタビューありがとうございました。
大石さんや理事長であるお母様のお人柄、素敵なお人柄が働いている方にもうつっている、素敵なNPO法人のおおぞら会の詳細は下記からご覧下さい。
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