人間福祉学科 2007年度卒 大石 徹さんインタビュー

卒業生インタビューとして、今回は2007年度に人間福祉学科卒業の大石さんのインタビュー記事をお伝えいたします。

現在は、特定非営利活動法人の事業所に勤務しながら、社会福祉士や司法書士など福祉や士業の分野でもご活躍なさっている大石さんにお話をお伺いしていきます。

引きこもりから福祉や士業の道へ、心優しさが周りを救う

引きこもりの10代から周りの支えを受けて大学入学へ

大石さんご本人

インタビュワー(以下イ):大石さんに目白大学入学の前、受験のときからお聞きしていきます。よろしくお願いいたします。

大石徹さん(以下大石さん):こちらこそ、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

目白大学入学前なのですが、高校に半年間ぐらい行って体調が悪くなってしまって。10代の自分の青春時代じゃないですが、こんなはずじゃなかったのになあとか周りに置いていかれる気持ちの方が強くて、10代はあまり良い思い出はなかったなと思います。

中退して自宅で引きこもり生活3年ぐらいしていたんですが、周りの人が大学や専門学校に行っていたので、自分も焦燥感、社会に出ないといけない焦りの気持ちが強くて、自分が置かれている余裕のない状況でした。その中でアットホーム、自分を迎え入れてくれる大学が無いかなということで、いくつか探したら、目白大学が良いんじゃないか。そう、母や友人か誰かから薦められて、新宿キャンパスを見学したら、都心だけど、自然が豊かな場所だったので。

引きこもりだったのですが、周りの方の支援のおかげで、立ち直るまではいかないですが、外に行こうと思えました。自分だけの力だけではなかったので、福祉学科のようなところに自分も身を置ければ、人助けまでは言わないですが、人のためになるような仕事に繋がれば良いなと。そんなに大した考えではないんですけど。入学の動機をしいて言うのであればそれですね。

大石さんとインタビュアーは共通点がかなりあったので、新宿キャンパス最寄り駅の西武新宿線の中井駅などについても話をしました。言葉も丁寧で穏やかなお人柄が伝わってきました。

4年間ずっと教室がうるさい!?エネルギッシュ世代

笑顔でお話しして下さる大石さん

イ:実際に目白大学入学時について、お聞かせ下さい。

大石さん:キャンパス行ってみて、周りが自然豊かなので落ち着く環境で、いろんな学科が集まってますから、やんちゃな学科だったり、真面目な学科だったりとバリエーション豊かで、私も一期生でしたが、周りの一期生もそうかもしれませんが、どうして福祉来たの?ほかのところもでも良いんじゃないかとなるぐらい、いろんな人が集まってました。

教室…4年間そうでしたけど、教室がずっとうるさかった。ずっと喋ってるんですよ。先生の声が聞こえないんですよね、それが4年間ずっと続きましたけど(笑)

イ:在学生の方たちが興味を持ちそうな。

大石さん:あまり興味を持ってもらっちゃ困るんですけどね。先日、私も授業に出させて頂いたんですけど、今はみんな静かなんですよね。我々のときってみんなずっと喋ってるんですよね。先生が静かにしろって言った後の2~3分は静かになるんですけど、その後みんな喋り出すんですよね。卒業したあとに先生に伺うと「一期生は元気だったよ、今は元気じゃなくて、積極的じゃないんだ。君たちのときは大変だったけど、エネルギッシュだったよ」みたいなことを先生から言われましたね。

イ:先生たちからすればやりがいは感じられたでしょうね。

大石さん:はっはっは(笑)そうですね。良い意味でも悪い意味でも。懐かしいですね。

SNS上で行われる現在の在学生の友達のつくり方についてお話ししたあとに、大石さんの入学時のときのお話に移りました。

入学後に印象的だったこと

大石さん:私のときはフレッシュマンセミナーという、一年生が全員参加する熱海に二泊三日の合宿みたいなものがあって、そのときに初めましてと話をして、友達が出来たり、話の輪が出来たりしました。多分、今は出来ていないので。自主的にSNSを使って友達をつくるために動いているのは逆にすごい行動力と思います。今の若い方のコミュニケーションだなと思います。実際に会って得られるものもあるから、特に学生の方は早く学校に行きたいんじゃないかなと思います。

現在は学校側でもコロナ禍の対策として入学前に交流を深める場を設けているようです。

イ:大石さんが目白大学に通われて印象的なこと、ほかにもありますか?

大石さん:印象に残ったのは実習ですね。福祉学科の場合、郊外の施設に実習に行ったりですとか、社会福祉士や精神保健福祉士とか、国家試験のためにみんな勉強していくんですけど、4年間勉強したものを実習に置き換えてアウトプットしていく。学校で得られたものと自分で実習で得られたものがリンクしていて、良かったなと思いますね。

今、目白大学から私も実習生を受け入れてですね、昨年も私が実習指導する立場となって、お二人、3年生の男性と女性の方を指導しているんですけど、私のときと違ってしっかりとしているなと思います(笑)

イ:今の若い子たちってしっかりしてますよね。

大石さん:わかります。わかります。本当に思いますね。

イ:大学4年間を終えての先の進路を教えて頂けますか?

大石さん:大学卒業後は目白大学の大学院の心理の方に進みました。2年間勉強して修士論文を書いてそのあと、仕事に就くんですが、修士の2年目のときに私の母親が立ち上げたNPO法人があるんですけど、そこが江戸川区から運営の補助金を得られることになったので、卒業後の4月からはNPO法人で勤務を開始することになりました。

NPO法人からのお仕事については、大石さんのインタビューの後半でお伝えいたします。本記事の最下部から次の記事のリンクに進めますので、そちらもご覧ください。

引き続き、大石さんから在学生の方にメッセージを頂いておりますので、ご覧下さい。

大学から実習生を受け入れている大石さんだからこそ、在学生に伝えたい一言

静かに熱くお話してくださる大石さん

若い子には頑張って欲しいなと思いつつ、無理をして欲しくないなとも思います。10代、20代は強いと思うので、周りにあわせないといけないという気持ちは働くじゃないですか。大人になっていけば、一人一人、違った考えや個々の世界で生きていけるということがわかりますから。学生のときは集団というか、みんなの輪に入っていくのが正しい、集団の輪に入れない人は悪いというか少数派の考えになってしまうのはかわいそうだなと思うわけです。

学業が優秀な実習生でも、自分が持っている価値観とずれてしまうと、自分はダメなんだ、自分にはこの道は向いていないと思ってしまって、考え過ぎてしまうんですかね。もっと肩ひじ張らずに生きても良いんじゃないかなと。

自己肯定感や自尊心が少し不足しているのか、自信の無さがあるのかなと。自分も大したこと言えないですが、自分のときはそこまで考えていなかったかなと。

一つの価値観だけが正しい、閉じられてしまった世界になってしまうのかなと。コロナ禍でより世界が狭まってしまうので、在校生の方には閉じられた世界だけじゃないんだよということをお伝えしたいですね。卒業してしまえばいろいろな世界が見えますから。

私も同期、150人、卒業時には130人に減ってましたけど。全員とうまくいっていたかというと、そうではなかったです。そして、今の生活に支障をきたしているかというと、そうではないです。新しい出会いが広がっていきます。在学生の方にはうまくいかないときがあってもすぐ見切らずに良いんじゃないかなと。ケセラセラじゃないですが。そのような感じでやってもらえれば良いんじゃないかなと。

大したことはないですが、私も辛かった時期があるので、縁があった在学生の方には伝えていきお役に立てれば良いですね。

コロナ禍もあり、今かなり辛い状況だと思うんですが、コロナに関わらず、辛い状況のときは次の準備段階だと思います。辛くなってしまっている方でもこのあと、楽しいこともあると思いますから、次の楽しみを頭にイメージしながら学生生活を過ごして頂けると良いんじゃないかなとお伝えしたいです。

大石さん、ありがとうございました。在学生に対しての優しさが伝わってきました。

大石さんのご活躍に興味を持たれた方は、お問い合わせフォームからお話を伺いたいなどご要望をして頂けますと事務局がやり取りさせて頂きます。

大石さんのインタビューは後半に続きますので、下記からぜひお楽しみ下さい。