目白大学卒業生対談 人間福祉学科卒の同期生同士 横塚喜伸さんと横關昌弘さん 後半

目白大学人間学部人間福祉学科の同級生同士、横塚喜伸さんと横關昌弘さんの対談です。後半は横塚さんが就職したところからスタートです。お二人だからこそ話せる内容なので、ぜひご覧下さい。前半をまだご覧頂いていない場合は、下記からご覧下さい。

目白大学卒業後は福祉業界のスペシャリストの道を駆け上がっていく横塚さん

大学卒業後の最初の就職先は千葉の社会福祉法人のケアハウス

真剣にお仕事のお話しをして下さる横塚喜伸さん

横關昌弘さん(以下、横關さん):そういうのはね、あったかな。で、じゃあ大学で4年間勉強して、就職先っていうのは、俺の方で最初から質問と思ってて。最初はどういうところに勤めましたか?

横塚喜伸さん(以下、横塚さん):最初は千葉の社会福祉法人で、ケアハウスとデイサービスがあるとこだったんですけど、そのケアハウスに就職しましたね。

横關さん:なるほど。軽費老人ホームですね。要は介助が必要な場合、マンションの管理人みたいなこともやるんだよね。

横塚さん:そうですね。管理人…はい。

横關さん:身体介助はしないよって形で、あと相談員か、利用者から要望があったりとか、何かやる時、身の回りのお世話はしないけど、コンシェルジュ的なことをやりますよっていう。

横塚さん:そうですね。コンシェルジュが1人と、現場で少し動く人が3人ぐらいで。私は現場で動く方だったんで。

横關さん:なるほど。結構ね、軽費老人ホームってなかなか入れないっていうところにうちの法人でもなってて。要介護とかなったら出されちゃうじゃないですか、制度としてね。そこですぐ特養とか併設のに入れればいいけど、生活してたのにまた違う所っていうのは、高齢者福祉の難しいところだなって思うんですけどね。何人くらいの入所者さんがいるの?

横塚さん:そこは50人…

横關さん:結構でかいね。じゃあ、本当に皆さんで生活しててくださいねっていうよりも、いろいろケアしなきゃいけないとこってありますね。

横塚さん:そうですね。集団生活での人間関係がお年寄りとかあったりするんで、調整とかもしましたよね。

横關さん:なるほどね。50人のケアハウスだとね、結構大きい規模で。その方っていうのは、要支援ができたのが学生時代の時だから、要支援は入れるんだよね、確かね。

横塚さん:要支援も入れますね。

横關さん:じゃあ、併設でデイがあるってことは、デイサービスの方にも通いながら2階に住んでるとかそういう利用者さんもいるような…

横塚さん:いましたね。当時、12・3年くらい前は介護保険が浸透してなかったから、あんまりケアハウスにいても介護保険使ってる人少なかったですよね。今は使ってると思いますけど、あんまり使ってなかったですよね。

横關さん:確かにね。今ね、総合事業っていうシステムができて、簡易的な形のサービスを受けるだけだったらそれでもね、支援とか介護とらなくてもできるけど、それも自治体ごとの差があるじゃないですか。ちょっとこの先の話でね、多分話すんですけど。で、自治体としては介護保険の費用負担がすごく増えてて、財政を圧迫してるからね、徐々に介護予防につなげていくっていうところもあってねっていう形で、ここ10年ぐらい動いているけど、その前はね、本当にもメインはもう介護保険一本でやってたもんで、制度があっても使いにくい、使えない利用者さんって結構多かった印象があるんでね。でも、そういうところで最初のケアハウスっていうところは、いろんな高齢の方の…いろんなタイプの人がいると思うんですよ。ご夫婦で入ってる方もいるだろうし、単身で入ってる方もいるだろうし、男女のミックス…それとも男性だけ女性だけっていうのか、区切りみたいなのは覚えてます?

横塚さん:そういえば、だいたい入ってる人はお家で生活できないとか、部屋は1人部屋だったと思います、全部が。ご夫婦も会ったんですけど、変な話、内縁関係みたいな方は一組ぐらいいらっしゃったかなと思うんですよね、男女で。

横關さん:うちの法人では、男性女性のトラブル…開設当初は両方取ってたんだけど、トラブルがあってもう女性だけ。ケアハウスは女性のニーズが多いんですよ。生活的に年金で暮らしていけなくて、それでそういうところに入るっていうのにニーズが高いので、もうここ20年ぐらいか、20年ぐらいはずっと女性だけとかってあるんで。施設の特色だったりとか、そういうところを勘案しながら、建物のハード面? 1フロアでやるのかとか、2フロアは分けるのかとか、その辺があると思うので。でも、そういうところは一番最初に就職できたってことはね、やっぱり高齢者介護の基本じゃないけども、基本っていえば特養なのかなと思うんですけど、勉強できたのかなと思って。で、そこはまだ東京にいた?

横塚さん:東京から通ってましたね。

東京から地元の社会福祉協議会へ転職

横關さん:そこで働いて、地元に戻るタイミングってのはどのくらい後?

横塚さん:そこから1年半か2年ぐらい後ですかね。

横關さん:そこも退職して戻ったような?

横塚さん:はいはい。

横關さん:じゃ、その後っていうのは、自分、記憶してんのがその間がちょっと分かんなくて、社会福祉協議会かなんかで働いてた?

横塚さん:あ、そうですね。ちょっと市町村の社協の方で働いてましたね。

横關さん:それは相談員みたいな?

横塚さん:そこは障害の方で、現場だったんで、就労支援とか生活介護の方で。ま、現場ですよね、現場。支援員ですよね。

横關さん:じゃ、その間にある期間で地元に戻ろうって思ったきっかけっていうのは何か…その1年・2年の間に。

横塚さん:はいはい。仕事辞めるタイミングで、結構一人暮らしで仕事が大変だったんで。ちょっともいいかなと思って、地元の方が自分に合ってるかと思ったってところですかね。

横關さん:で、東京を離れ、地元に戻ってきて、それで仕事も家から通いながら。

横塚さん:そうですね。

横關さん:それが私と違った部分。じゃあ、社協で働きながら、その間で今勤めてるところの地域包括支援センターにたどり着くって感じ。で、そこっていうのも、今まで働いてる障害の方の仕事をしていたけども、やっぱり高齢者の方の相談の方で働きたいっていう気持ちの変化というか、何かあったんですか?

横塚さん:そうですね。障害の方は体の方で、結構現場だったんで、介助して一緒に作業して、現場のことやりつつ活動の準備したりとか、支援計画立てたりとか…個別援助計画つくるとか大変だったんですよね。それと、その年ぐらいに社福受かったんで。

横關さん:おめでとうございます。そっか、ちょうど同じくらいにとったのかな。

横塚さん:たぶん、同じくらいですよね。

福祉業界で同じ仕事をしていた二人の話は尽きません

横關さん:そのぐらい…確か年賀状のやり取りしてたの覚えてて、実家に送ったら、ちょっとしてから違う住所で送られてきて。で、ちょうど私も7年ぐらい前に地域包括支援センターの仕事にかかるようになったので、同じ仕事してんだなって思って。

横塚さん:私も社福とったのと同時に、結構障害の方って独特の世界観っていうんですかね、障害者施設って、変な話、限られた空間っていうんですかね、障害の方ってファンタジーな感じがあるんですよね。みんなで楽しくやりましょうっていうよりは。それがだんだんとこう…もういいかなと思ったんで。社福で相談の方が、体も楽でいいかなと思ってりしたんですよね。

横關さん:たしかにね。現場で体使うところっていうのはデイ、その次に来るのが相談っていうところで、ケアマネなのか社福なのかっていう部分だと思うので。じゃあ、今勤めているところは社会福祉士の採用で、地域包括センターって保健師さんと主任ケアマネさんとかいると思うんですけど、2つ仕事やってるじゃないですか。地域包括支援センターのところで虐待対応とかそういうとこでニーズの掘り起こしだったりとか、相談業務やってる部分と、介護予防支援事業所で要支援の方のケースを持つケアマネージャーと居宅介護支援事業所の予防版みたいなこともやってて、ケアマネジャーとしての仕事って今してない感じ?

横塚さん:してます。

横關さん:ケアマネさん持ってる?

横塚さん:ケアマネ持ってないです。

横關さん:持ってなくて、社福でやるってことだよね。そこのギャップってあります? 相談業務だけだけど、ケアマネ今持ってないけどやってるっていうところで。大変だと思うんですよ。

横塚さん:やっぱありますね。どうしても、社福としても動きますし、ケアマネ業としても動いてて、当然他の事業者さんとか、職場の支援のケアさんとかから困った時に、「ケアマネなんだから」って言われる時に、「いや、ケアマネじゃないし」って思ってて。まぁ、仕方がないと思うけど、それのギャップありますよね。ケアマネ業務なくて、ケアマネ業務やってるのだと、視点は違うと思うんで。本当に仕方がないかなって感じですよね。

横關さん:社会福祉士さんっていうのは、虐待対応とか緊急的に動かなきゃいけなかったり、地域で「あのおじいちゃん一人暮らししてるんだけど、新聞もたまってるし、ここ3日間誰も見てないんだよね。で、ここんとこ35度以上の暑い日が続いてて、どうやってご飯食べてんの分かんないんだよね」っていう通報が入ったらすぐ行かなきゃいけないっていうのが職務としてあるわけじゃないですか。っていう中で、ケアマネとして1人の利用者さんと継続して支援のやり取りもしていきながら、そういう複数の仕事っていうところで、すごい大変さっていうのは、私も隣で見てて感じる部分があって。でも、優先度として虐待とか地域からの通報とかが優先されると思うので、その辺は自分の中で優先順位と緊急性という形で、その辺のバランスをとるのが大変なのかなってのは思ってます。

横塚さん:そうですね。やっぱり虐待通報とは入ったときには48時間以内に状況確認とか言われてるので、予防プランの人は後回しじゃないですけど、後で大丈夫だったら置いといて、虐待の対応で状況確認とかが優先になっちゃうんで、優先順位をつけたりするのが難しかったりしますよね。よく判断してかなきゃいけないと思ってますよね。

横關さん:大変なのが、月末に安否確認の連絡をこの人数しなきゃいけないっていうので、めっちゃ電話かけまくったりとかしなきゃいけないじゃないですか。

横塚さん:そうですね。今月あと何人かけなきゃいけないとか。そういう感じだったりとか、給付関係の請求がだいたい国保連合会の方に10日までに出さなきゃいけなくて、取りまとめ今やってんですけど、550か600近くありますよ、件数。

横關さん:多いですね。今は予防も多くて、それも入力の方はケアマネさんや社福さんがやっていただいているので、本当にもう戦争ですよね。実績が事業者さんから上がってきて、それをまとめて、この人の利用したものはこれだっていうので、請求出さないといけないしね。今、利用者さんの負担割合とかも、昔は1割だったけど、今2割3割の方も増えてきてるし、確認しないとね、間違った形での請求になっちゃうし。そういうのもすごくあるんで、月末から月初10日ぐらいまでは本当に地獄。

横塚さん:そうですよね。うちも直近の10日で、9日に予約がきたんですけど、自分の担当と委託の人とその包括とか全部の請求やってるんで。数が合わないとか。やっぱありますよね。この時期って忙しいですよね。

横關さん:忙しかったね。なので、この時期ってことだったのかなっていうのは。私もおとといだったかな、9日の日に全部終わらせてやったので、そこらへんの苦しみじゃないけど、大変さはやった人でないとわからない。

横塚さん:これ、今月10日…あれいつだろ、みたいな。週またいだ、終わんない、みたいな。

横關さん:全然聞けなかったのは…委託? 委託で受けてる…要は市役所直営じゃなくて、法人で委託で?

横塚さん:そうですね。委託で。

横關さん:委託だね。委託の包括センターだと、連携とかってところで市役所の職員さんとかと、会議開いたりとか、いろいろやる感じになるけれど、立場が違うとなかなか…

横塚さん:そうですね。会議なんかも、「これ、本当に必要なのか?」と思ったりとか。変な話、市の直営の包括さんって、異動があったりするじゃないですか。専門職じゃない場合もあったりするんで、そう思うとこっちの委託側の方が経験があったりとか、能力あったりとかすると、なかなかお互い難しいなと思ったりしますね。

横關さん:じゃ、直営方が1個持ってて、それが期間があって的な感じのところがあって、そこに委託で法人が受けてるって形で。

横塚さん:そうですね。市が直営で。

横關さん:なるほど。そこはギャップがあったりね、本当に2年3年でいなくなりますからね、直営の人たち。

横塚さん:ね、結構移ってきたんで、「あれ?」ってなりますよね。

横關さん:私も兼務でやってた時から7年目ぐらいなんで、組織だから毎年出さなきゃいけない書類とか、全然知らない人から電話かかってきたとかありますよ。「いつ出すんですか?」「こういう書式ってわかんないんですけど」って。「私はあなたのことを…」って言おうと思ったけど。そういうのって手続きとか、予算もらってやる仕事とかってすごく多いので。

横塚さん:うんうん。毎年書式出したりとか、法改正とか細々とありますからね。

横關さん:私はもう一事務員として働いているので、ケースの方は。私は社会福祉士じゃないので、仕事としてはね。

横塚さん:事務員配置ってこと?

横關さん:事務員配置。事務配置で全部やってます。給料計算から、社会保険関係から、職員さんの労務管理から、給付管理の請求と会計業務と稟議書書いたりとかもあって。事務員配置ってのはあまりなくて、本当は非常勤さんとかがやってる形なんだけど、総合事業始まってから、平成28年…29年ぐらいから始まった、あれは確か自治体等が決められたんで、始める時期はね。あれが始まって予防のフレイルとか、介護予防の業務が区から色々やってくださいよってなって、仕事自体が、事業所自体がすごい忙しくなっちゃって。給付管理の件数とかも100とか150件とか増えちゃったんですよ、比べると。そんときは400ぐらいしかなかったのにっていうところで。事務員も必要だよねっていうニーズもあって、私は介護保険の高齢者の仕事って全く勉強もしてないし、やったことなかったけど、言うように仕事の内容ははっきりしてることと、あとは自分の体は使わずに最適なところもあるし、祝日休みだし、勤務時間決まってるし、シフトじゃないしってのは、そこはいいなと思って。それで、最終的にそこに勤めているような感じですけど。

横塚さん:確かに月-金って楽ですよね。

横關さん:そうそう。体が一番楽ですね。

横塚さん:予定も立てやすいしね。

横關さん:あとはね、ワーカーさんとか相談員とかケアマネさんとかは24時間対応で、携帯はたぶん輪番で持ち歩いてると思うんで。そのときは1個対応するとかはあるにしても、施設とかの相談員さんとかやってる人結構来るので、施設系から来る方結構多いので、「毎週はっきり休みもらえるのはやっぱりありがたいです」っておっしゃる方多いですね。

横塚さん:現場だとシフトだったりするとね。大変ですね、きっと。仕事の調整なんかより気使いそうな気がしますし。

横關さん:そういう感じで、私は、現場の仕事も好きな人はそれでずっと続けていかないと施設も運営できないし、広い視野が勉強できるところが地域包括支援センターなのかなって思うんで。地域の最初の政府は区役所・市役所って言うけど、高齢者専門のところは今そういう形になっているので、やっぱり地域の人に知って欲しいし、こういうところがあるんだよと、こういう制度がいろいろ使えるんですよっていうのは、意外と知られてない部分だし、分かりにくい部分なので。法律に縛られてるじゃないですか。だから、そういう部分っていうのはなかなか理解するのも難しい…当事者にならないと理解するの難しいけども、実際に介護が必要になった方がいます、じゃあ最初どこに相談したらいいですかって、やっぱ分からないと思うし、何のサービスが必要なのかも分からないし、そこをマネージメントするのがケアマネージャーさんだったり、介護申請書を出して、認定調査を受けて、認定されるまでの期間、だいたい1か月ぐらいあるけども、その間の状態に変わっちゃったらどうしたらいいのかっていうのは、やっぱり普通の一般的な家庭で生活してる家族ってすごい不安だと思うんですよ。だから、そういうところも緊急的に「今、こういう状態で今ケアマネージャーさんもいなくて」っていう相談も入ったりとか、家庭科の相談も入りますし、病院のソーシャルワーカーから最近めちゃくちゃ多くて、「救急搬送されて治療受けてるんですけど、状態も上がってきたんだけど、誰もみる人はいないと。あなたたちでやってもらえませんか?」みたいな相談きたりとか。「うちはこの月末で退院させるんで、タクシーで返しますので受け取ってください」とか、こういうケースって多いので、そういう部分って関係機関と連携したり、その間にケアマネージャーさんを手配したいとか、サービスを手配したりとか、っていうのは大事な仕事だと思うので、もう少しこういうセンターがあるよっていうのを、あの地域の方には知っていただきたいなっていうのは、仕事していて思います。

横塚さん:確かに、自分なんか町のサロンとか行くと、関係者は知ってますけど、町の人たちは知らないし、相談するには敷居が少し高い感じはあるみたいなんで、やっぱりもっと気軽に連絡もらえる関係ですとか作ってないと、駄目だと思いますよね。うちは、うちなんて知ってると思ってますけど、相談する方とすると、知らない方もいるでしょうし、今後の課題ですかね。

横關さん:あと、逆に事態がもう重くなってから初回相談入るのと、まだ軽いうちから独居の方だったら、地域の方が民生委員さん通じて「あそこのおじいちゃんちょっと一人でずっと生活してるけど、ちょっとね心配なのよね」っていうのを初見で耳へ入れてて、ちょっと台帳とかに書いておいて、それが2回ぐらいあったうえで、緊急的な対応がありますよっていうのと、全くまっさらな状態、何の情報もない中で一人で生活されてて、それで緊急的に介入してくださいって言われるのとでは、最初のアセスメントが全然変わってくるんですよね、正直ね。そうすると、その時に民生委員さん関わっていた、区の方のワーカーさんが関わってたりとかっていうのもでてくるので、関係機関との連携が、出来てるようで出来てない部分もあるし、「この人関わってたんだ」っていうのがあって、それが行政の人だったり、社会福祉協議会の人だったり、民生委員さんだったり、サービス事業所の人だったり。それをつないでいく事も多いと思うので、特に社会福祉士として働かれるとそれがあると思うので、その辺のやり取りで、「なんでもうちょっと早く言わなかったんだ」って言った時に、「いやいやいや」みたいな感じの「しょうがないじゃないか」みたいな感じのこともあると思うんですけど。一番は地域の方が安全に生活できるために、命を助けてことができて、その次もちゃんと生活できるように支援していくことがあれなので、本当につなげる仕事なんだなっていうのは、日々思って仕事は私はしてるんですが。

横塚さん:そうですよね。社福士さんってネットワークの構築ですとか、連携連絡調整ですよね。その人がどう困ってるかを伝えてあげて、専門家から手伝ってもらって、変な話、すぐに支援が入りにくい人って、すぐサービス使って大丈夫な人はいいですけど、すぐに支援に結びつかない人って、1年でも2年でも難しかったりするんで、そういう人ほど時間をかけて早めにこうやってあげないといけないって日々思いますね。2年経ってから認知症こんなんなっちゃってました、みたいな方もいらっしゃるんですよね。

横關さん:そこは、自治体は違えど、同じ課題ってどこの地域でも抱えてると思うんですよ。そこに対して役割ってのはあると思うので、そこを共感できる部分と、実際に私は都内で職員でやってて、横塚君は?

横塚さん:勤務地は〇〇(横塚さんの勤務地)です。

横關さん:〇〇(横塚さんの勤務地)の方だと市街地の…地方都市の地域の特色ってまた違うと思うので、それに対しての人数の職員…センターの配置も確か決まってると思うので。東京だと一つの中学校に一つぐらいの。うちはだいたい9000人ぐらいの高齢者の方に対してのセンターの配置になってるので、それも違うじゃないですか、地方によってもね。あと予算の付け方も違うと思うので、そういう部分は全国の特徴ありながらも、根本的なお仕事っていうのはやっぱり同じだと思うので、共通認識だったりとか、大変さとかやりがいとかっていうところも共有できたのは、今日本当よかったなと。

横塚さん:三職種いますと考え方も違いますし、キャラクターも違いますからね。

横關さん:私が感じたのは、スタートしたところが違うと…医療から来た看護師さんって、医療の部分でしっかり勉強するじゃないですか。服薬管理だったりとか、患者さんに対しての医療的なケアとかの。ケアマネとか福祉から入った人って、その人がどうありたいのかってところをまず考えるので、そういうところの支援の会議ををやった時に、「いやいやいや」今この人に必要なのは医療でしょ」「でも、今こういうことしたいんだから、この人のアドボケートじゃないけども、叶えてあげた方がいいんじゃないですか」っていう意見と、そういう部分で。でも、私の中ではベースは医療の方じゃなくて社会福祉の方だと思うので、医療の方も取りつつ、包括的なケアをしていく方に持ってったらいいんじゃねえかなって私は。病院の相談室とかあれば、もう医療の方の意見を参考にしながら、福祉のマネージメントしたらいいと思うんですけど、そこが強すぎても良くないし、そこが弱すぎても難しいし。三種のバランスってどこでも抱えてるところってあるんだろうなーって。

横塚さん:確かに、保健師さん・看護師さんってやっぱ強いですからね、発言とか。医療面とかこっちは勝てないので、うまくバランスとりつつ、何が優先順位かっていうのをね。

横關さん:色々ありますね。うん。じゃあ色々地域包括支援センターについて熱く。

横塚さん:包括の仕事って尽きないですよね。

横關さん:で、見えてこないですしね。ケアマネージャーってこうですよとかはあっても、社会福祉の仕事ってこうですよってなかなかないじゃないですか。漠然としてて、私もこの仕事をするようになった時に、社会福祉じゃないといけない仕事ってないんですよね、正直なところ。名称独占の資格なので、お医者さんだったら医療行為ができますよ、看護師さんの方も医療行為ができますよ、弁護士さんだったら弁護人の方のできますよって、その人じゃないとできない仕事。社会福祉士は名称独占だから、社会福祉てあってもできる仕事なので、基準的な部分が曖昧な部分が多くて、別に持ってなくてもいいんじゃないっていうのは、正直思ってたんです、最初の施設に勤めてた時は。でも、勉強してスタートラインに立ってて、受付の人が頑張って、2年とか3年養成校に通いながら受験資格を得て、「受験資格もらったんで今年受けるんですよ」っていうのが、たまたま身近に何人かいたんですよ。50代とかになっても。自分が受験資格持ってる資格ってこんなに価値があったんだっていうのそこで気づきましたね。っていうところと、たぶん社会福祉士の仕事の中で、社会福祉士が必須なのって地域包括支援センターだけなんですね。特養でも相談員でも別に必須ではないし、最近は児童相談所の福祉士さんとかも社会福祉持ってなくてもっていうのは、基準が緩和されて自治体も増えてきてるので、あってもたぶん法律的になんか明確化されてんのはなんかそういうところで、たまたまそこに携わることになって、「じゃあ受けてみようかな」「久しぶりに受けてみようかな」って思ったのが受験のきっかけで、それでたまたま良かったの。で、取れたら周りの反応変わったんですよね。

横塚さん:持ってると持ってないとでは反応変わりますよね。

横關さん:その資格自体、登録はしてあるから名乗ってもいいんですけど、名刺に書くことはないし、私の場合はね。しれっとしてるけど、もう少し地位向上じゃないけれど、専門職として社会福祉士っていう仕事に世の中の必要性があってできてますよっていうところが、これから上がってったらいいのかなっていう、業務を行ってない人間が言うのもちょっと何ですが。

横塚さん:なかなか地域包括でも社福ってなんでもできるし、なんでもできないとこあるから。結局、保健師さんって医療が強いですし、主任ケアはケアマネさんが強いですから、虐待とか社会資源とか、そんなに出番が頻繁じゃなかったりするんで、そうなると何でもできるし、なんでも屋って感じがしますよね、よく言えば。

横關さん:そんな感じがあるんで、柔軟性がないとできない仕事だと思うんで、その辺は変形をしていきながら、優先順位をつけながらだと思います。地域包括支援センターについて熱く、40分くらい話ができましたけど、この後って例えば、ケアマネさんの資格持ってないけどケアマネさんの方の仕事ももう少し力入れてやってみたいとか、次のステップについて、まぁ今んとこで現状維持しながらブラッシュアップしていくっていうのでもいいと思うんですけど、何か目標みたいなのって次の仕事で持ってることってあります?

横塚さん:来年度にケアマネ試験を受けられるので。

横關さん:受験資格はね。

横塚さん:受けて、ゆくゆくは包括やってくんだったらケアマネの業務の経験があった方がいいと思うんで、どっかのタイミングで法人になった居宅の方に異動ができたらいいかなと思ってますけどね。主任ケアマネ取ったら結構経っちゃいますけど、包括に戻ってきてやりたいなってありますよね。

横關さん:なかなか珍しいパターンですね。だいたい、居宅から包括に行くっていうのが人事的には…

横塚さん:多いですよね。

横關さん:でも、包括知ってて居宅だと、絶対仕事しやすいですよ。

横塚さん:まぁ、仕事は明確ですよね。

横關さん:そうそうそう。この問題が起きた時に誰に相談していいかどこに相談しても分かってるし、同じ法人だったら同じ地域だったら社会資源を全部自分で把握しているので、これはちょっと結構重篤なケースだな、困難事例だなと思った時に、これはこの人にちょっと相談してみようとか、このサービス利用したらいいんじゃないかなっていうのは、利用者さんだったり家族だったりの利益になると思うので、すごくいいキャリアアップかなっていうのは感じました。

横塚さん:あと、少しやるとケアマネ業務とかの下地はあるかもしれないのと、包括って何でもやるし、ケアマネさんの方が仕事の内容は決まっている気はしますよね。「サービス使いません。じゃあ、また何かあったら」って感じじゃないですか。やっぱり違いますよね。

横關さん:ケアマネさんとか居宅さんだったら、持ち件数が決まっていたりとかでそこに集中できるってあるので、もしかしたら一つの仕事を集中して、居宅介護支援課のケアマネさんの方が、いち利用者さんと向き合うってこともできると思うので、そこはキャリアアップとして、もし同じ法人で異動できるのであればいいかなっていうのもありますし、地域包括支援センターも請求のお話さっき出てましたけど、すごく安いプラン料も請求してますけど、それも結構大事な収入源になるので、そういう給付管理業務も知ってるっていうのも強みだと思うんですよ。

横塚さん:請求もやったりするでしょうしね。

横關さん:そうそうそう。で、絶対に擦り付けあいなんで。まとめる作業ってだいたい、若手の男性がやるっていうのが何か…なってて。だいたい「ここがこうなんですよ」って言うとムッとされて、そんなに私から意見されるの嫌なんだなぁと思って、これ黙って返戻待とうかなってね。でも結局、「何でこうだったの」「あなた、何で見なかった」ってどうせ言われるんで、私はその場でチェックして、「こうだったんですよ」って、「どっちが正解なんですかね」っていうのをね、確認しながらお願いしてますけど。

横塚さん:ケアマネ支援を?

横關さん:そういうのもね、共通してあれだと思うんで、キャリアとしては高齢者の分野すばらしいと思いますので。最初の大学の時から高齢者の支援っていうことで、その時はまだ漠然としてたと思うけど、徐々に固まってって、我々も中堅と言われるような年代になってきたんで、これからも…まぁね、資格をとらないとケアマネは名乗ることできないので、やってもらえたらいいかなっていうところで。だいたい1時間ぐらい経ってます。で、いろいろご自身のこと聞いたんですけど、もうちょっと時間があれば、大学の今の学生だったりとか、全然話戻っちゃうんですけど、これから頑張ろうと、福祉でも今勉強してる子たちに向けて一言あればと思って、締めたいかなと思います。

在学生、特に社会福祉学科の在学生必見メッセージ

横塚さん:やっぱりあれですよね、社会福祉学科の方で将来的に社福とって働きたいって方は、絶対卒業と同時に社福をとって卒業した方がいいと思いますね。

横關さん:それは同意します。私も思いますね。

横塚さん:働きながら勉強して試験受けるってかなり大変なので、やっぱり学生時代に頑張って勉強して受かってた方がいいと思います。現場出てから社福士使わなくても、持ってるとやっぱ違うので、現役で受かるのが一番と思いますね。

横關さん:そうですね。私も同じ気持ちでおりますので、学生時代に資格は取りましょうということで、後輩に対してエールって形ですかね。

お二人も福祉業界のお話や横塚さんの目白大学のお話、お聞かせ下さりありがとうございました!
一つの進路ではありますが、せっかく目白大学の福祉学科に入学したら社会福祉士は取るのはいかがでしょうか?